保育現場の第一線で働く保育士の視点から、突発性発疹という病気についてお話しさせていただきます。私たち保育士にとって、一歳児前後のクラスで「〇〇ちゃんが昨日から高熱でお休みです」という連絡が入ると、まず頭に浮かぶのが突発性発疹の可能性です。この病気は集団感染のイメージが強いですが、実は園内で次々と子どもから子どもへうつるというよりは、それぞれの家庭で眠っていたウイルスが、ある日突然活動を始めるような、不思議な発生の仕方をすることが多いのです。そのため、園として「流行を防ぐ」という対策は非常に難しい部類に入ります。私たちが最も神経を使うのは、熱が出ている時期の対応です。登園したばかりの元気な子が、数時間で急激に四十度近い熱を出すのが突発性発疹の典型的なパターンです。高熱によって熱性痙攣を引き起こすリスクもあるため、私たちは一分一秒を争う緊張感を持って保護者の方へお迎えの連絡を入れます。そして、無事に診断がついて解熱した後の受け入れですが、実はここからが私たちの腕の見せ所でもあります。突発性発疹の後の「不機嫌」は、保育現場でも非常に有名です。あんなにニコニコしていた子が、誰が近寄っても火がついたように泣き、お散歩も給食も拒否する姿を見ると、「本当に突発性発疹は大変な病気だな」と再確認します。正直なところ、不機嫌のピークにある子を受け入れるのは、保育士としてもかなりのエネルギーを必要とします。他のお子さんの安全を確保しながら、その子をずっと抱っこし続けるのは至難の業です。ですから、保護者の方には「無理をせず、機嫌が少し上向いてから連れてきてくださいね」と本音でお伝えすることもあります。それは決して拒絶ではなく、お子さんのために、静かで安心できる環境で体を休めてほしいという願いからです。園内の衛生管理としては、ウイルスが唾液に含まれることが分かっているため、おもちゃの消毒や手指の拭き取りを徹底しますが、過度に恐れることはありません。むしろ、発疹を見て「他の子にうつるのではないか」と心配される他の保護者の方々へ、正しい知識を伝えることの方が重要だと考えています。突発性発疹は、子どもが強くなるための大事なステップです。お母さんやお父さんが「仕事を休んで申し訳ない」という顔でお迎えに来られる姿を何度も見ますが、私たちは「大丈夫、これも成長ですよ」と心から応援しています。園と家庭が情報を共有し、無理のない復帰プランを一緒に立てることが、お子さんの健やかな成長に繋がります。不機嫌な時期を乗り越えて、また元気に走り回る姿が見られたとき、私たち保育士も自分の子どものことのように嬉しくなるのです。