新型コロナウイルスが社会に定着し、季節性疾患に近い扱いとなった今、私たちが体調を崩した際の「何科へ行くべきか」という判断基準も、より症状に即した柔軟なものが求められるようになっています。一般的には内科が推奨されますが、近年の変異株の特徴である「激しい喉の痛み」や「長引く鼻水・咳」が主症状である場合、耳鼻咽喉科を受診するという選択肢も非常に有効です。耳鼻咽喉科は、呼吸の入り口である鼻や喉の粘膜を専門的に診る診療科であり、内視鏡を用いた詳細な観察が可能です。例えば、新型コロナによる炎症が喉のどの部分で強く起きているのか、単なる扁桃腺の腫れなのか、あるいはそれ以上の深部に及んでいるのかを、耳鼻科医は視覚的に特定することができます。また、コロナ感染後の後遺症として多い嗅覚障害や味覚障害に対しても、耳鼻咽喉科は専門的な知見を持っており、早期の治療介入によって回復を早めることが期待できます。しかし、耳鼻咽喉科を受診する場合でも、やはり内科と同様に「事前連絡」が鉄則です。多くの耳鼻科クリニックでは、鼻の処置を行う際にエアロゾルが発生しやすいため、内科以上に感染対策に敏感な場合があるからです。一方で、全身の激しい筋肉痛や呼吸の苦しさ、あるいは糖尿病や高血圧といった持病がある方の場合は、耳鼻科よりも内科系、あるいは循環器系を診られる医療機関が優先されます。このように、新型コロナを疑う際の診療科選びは「喉が極端に痛いなら耳鼻科」「全身がだるく、持病があるなら内科」といった具合に、自分の症状の主役がどこにあるかで見極めるのが賢明です。また、最近では「総合診療科」を掲げる病院も増えており、迷った際の受け皿として機能しています。どのような選択をするにせよ、大切なのは一つの診療科に固執しすぎず、もし受診した先で「別の科で精査が必要」と言われたら、速やかにその指示に従う柔軟さです。新型コロナは多岐にわたる症状を見せる疾患ですが、日本の医療体制はそれぞれの診療科が連携し合い、患者を適切な治療へと導くネットワークを構築しています。自分自身の症状を冷静に分析し、最も辛い部分を専門とする科を選ぶこと。それが、ポストコロナ時代におけるスマートな医療機関との付き合い方と言えるでしょう。
コロナ禍後の医療機関選びと耳鼻科活用のすすめ