あれは、友人たちとキャンプを楽しんだ翌日のことでした。朝から何となく胃が重い感じはしていましたが、いつもの食べ過ぎだろうと高を括っていました。しかし、昼過ぎになると、その考えが甘かったことを思い知らされます。下腹部に、まるで内側から槍で突き刺されるような、経験したことのない激しい痛みが走り始めたのです。痛みは波のように押し寄せ、脂汗が滲み、立っていることすらままならなくなりました。同時に、激しい下痢と吐き気にも襲われました。トイレと部屋を何度も往復し、体中の水分がすべて絞り出されていくような感覚でした。熱も39度近くまで上がり、意識が朦朧とする中で、私は昨夜のバーベキューの光景を思い出していました。友人たちと笑いながら食べた、少し赤みが残っていたかもしれない鶏肉。生肉を扱ったトングで、焼き上がった野菜を取り分けてしまったかもしれない一瞬の不注意。思い当たる節は、確かにありました。這うようにして近所の内科クリニックに駆け込むと、症状からすぐに食中毒が疑われ、検便を行うことになりました。点滴で水分と栄養を補給してもらいながら、数時間ベッドで横になっていると、少しだけ痛みが和らぎました。医師からは「おそらくカンピロバクターでしょう。鶏肉が原因で起こることが多い食中毒です」と説明を受けました。処方された抗生物質を服用し、お粥など消化の良い食事を心がけるよう指示され、その日は帰宅しました。しかし、本当の戦いはそこからでした。腹痛と下痢はその後も数日間続き、体重はあっという間に3キロも落ちてしまいました。普通の食事ができるようになったのは、発症から一週間以上経ってからのことです。この経験を通じて、私は食中毒の恐ろしさを身をもって知りました。ほんの少しの油断が、これほどまでに心身を苦しめることになるのです。今では、肉を焼く際の加熱時間や、調理器具の使い分けには、人一倍気を使うようになりました。あの地獄のような痛みを、二度と誰にも味わってほしくないと心から思います。
地獄の腹痛体験談。私が食中毒になった日