その日の朝、目が覚めた瞬間に感じた喉の焼け付くような痛みは、今までに経験したことのない異質なものでした。体温を測ると三十八度五分。昨日までの元気な自分からは想像もできないほどの倦怠感が全身を支配しており、私は直感的に「これは新型コロナかもしれない」と悟りました。パニックになりかけた頭を落ち着かせ、まず考えたのは「どこで診てもらうべきか」ということです。私の近所には、古くからある小さな内科医院と、最新設備が整った耳鼻咽喉科、そして大規模な総合病院があります。まず総合病院のホームページを見ましたが、そこには「紹介状のない発熱患者の直接受診は控えてほしい」との記載があり、ハードルの高さを感じました。次に、喉の痛みが主症状であったため、耳鼻咽喉科も頭をよぎりましたが、もし肺炎などの合併症があった場合を考え、最終的には「内科」のクリニックを選ぶことにしました。ここからのプロセスが、現代のコロナ受診における最も重要なポイントでした。私は直接病院へ向かうのではなく、まず電話をかけました。呼び出し音が数回鳴った後、受付の方に現在の症状と、周囲に陽性者がいないこと、そして何科を受診すべきか迷っている旨を伝えました。すると、「今の時間は発熱専用の枠になります。車でお越しいただけるなら、駐車場で待機してください」との指示を受けました。病院に到着し、指定された場所で待っていると、防護服に身を包んだ看護師さんが窓越しに現れ、抗原検査を行ってくれました。検査結果を待つ間の十五分間は、一時間にも感じられるほど不安な時間でしたが、結果は予想通り陽性。その後、医師が防護カーテン越しに診察をしてくれ、喉の状態や肺の音を丁寧に確認してくれました。処方されたのは、解熱剤と喉の炎症を抑える薬、そして数日分の漢方薬でした。この一連の経験を通じて感じたのは、新型コロナを疑う際の診療科選びは「内科」が基本であるものの、その受診形態は通常の診察とは全く異なる特別なものであるということです。もし私が電話をせずに直接病院の中に入っていたら、多くの高齢者や基礎疾患を持つ方々にウイルスを広めていたかもしれません。また、内科を選んだことで、全身のだるさについても相談でき、安心感を得ることができました。結果的に、一週間の自宅療養を経て無事に回復しましたが、あの時迷いながらも適切な手順を踏んで内科を受診したことが、肉体的にも精神的にも最短の回復ルートだったのだと今振り返って痛感しています。