あの日、私は完全に自分の体力を過信していました。七月の後半、連日の猛暑の中で仕事の締め切りに追われ、冷たい清涼飲料水と素麺だけで食事を済ませる日々。最初は少し身体が重い程度に感じていましたが、八月に入ったある朝、ついに身体が布団から剥がれなくなるほどの激痛に近い倦怠感に襲われました。これが夏バテの恐ろしさであることを、私はその後の三週間にわたる苦闘を通じて痛烈に学ぶことになったのです。最初の三日間は、とにかく「眠ること」で解決しようとしました。しかし、どれだけ寝ても頭の中は熱く、胃の奥には重い石が置かれているような不快感が消えません。病院へ行くと、医師から「自律神経がボロボロの状態です。今日明日で治ると思わないでください」と釘を刺されました。そこで私は、長期戦を覚悟し、生活を根底から変えることにしました。一週目は、まず「胃腸の再起動」に専念しました。冷たい飲み物を一切断ち、常温の水と温かい味噌汁を少しずつ摂るようにしたのです。驚いたことに、たったこれだけのことで、五日目には食べ物をおいしいと感じる感覚が戻ってきました。二週目に入ると、次は「自律神経の調律」に取り組みました。これまではシャワーだけで済ませていた入浴を、三十九度のぬるめのお湯に十五分浸かる習慣に変えました。血流が改善されたおかげか、夜中に何度も目が覚める中途覚醒が減り、朝の目覚めが劇的に楽になっていきました。しかし、三週目を迎えるまでは、油断をするとすぐに強いだるさがぶり返し、「本当に元に戻れるのだろうか」という不安と戦う毎日でした。回復までの期間を左右したのは、結局のところ、自分の身体の限界を認め、一見遠回りに見える丁寧なセルフケアをどれだけ徹底できるか、という一点に尽きました。三週間が経過し、ようやく以前のように一時間のウォーキングができるまで回復したとき、私は自分の細胞一つ一つが新しく生まれ変わったような清々しさを感じました。夏バテは一度かかってしまうと、その負の遺産を清算するまでに多大な時間を要します。一晩の睡眠で解決するような甘いものではありません。この三週間の記憶は、私にとって健康のありがたさを教える教訓となりました。便利さに甘えて内臓を冷やし、睡眠を削った代償は、想像以上に重いものでした。今では、夏が来る前に身体を整え、あの絶望的な倦怠感を二度と繰り返さないよう、自分なりの「夏の作法」を守り続けています。
夏バテの泥沼から抜け出すまでに私が費やした三週間の軌跡