大人が、りんご病を疑う症状、例えば、頬の赤みや、レース状の発疹、そして、つらい関節痛に気づいた時、どの診療科を受診すればよいのでしょうか。症状が、皮膚と関節という、複数の領域にまたがるため、迷ってしまうのも当然です。受診すべき診療科は、どの症状が、自分にとって最もつらいか、あるいは主となっているかによって、判断するのが良いでしょう。まず、頬の赤みや、腕や足に広がった、レース状の発疹といった、「皮膚症状」が、主な悩みである場合。あるいは、診断をはっきりとさせたい場合は、皮膚の専門家である「皮膚科」が、最も適しています。皮膚科医は、りんご病に特徴的な発疹を、正確に診断し、似たような発疹を示す、他の皮膚疾患(膠原病に伴う皮疹など)との鑑別も、専門的な視点から行ってくれます。かゆみが強い場合には、かゆみ止めの外用薬や、内服薬を処方してくれます。次に、皮膚症状はそれほどでもないけれど、とにかく「関節の痛みや腫れ、朝のこわばり」が、ひどくて困っている、という場合。この場合は、関節炎の専門家である「リウマチ・膠原病内科」を受診するのが、最もスムーズです。前述の通り、大人のりんご病による関節炎は、関節リウマチと症状が非常に似ているため、リウマチ専門医による、正確な鑑別診断が不可欠です。血液検査で、リウマチ因子や、抗CCP抗体といった、関節リウマチの指標となる自己抗体を調べ、それらが陰性であることを確認し、さらに、ヒトパルボウイルスB19に対する抗体を測定することで、診断を確定させます。治療は、主に、痛みや炎症を抑えるための、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが用いられます。そして、特定の症状が突出しているわけではなく、「発熱や倦怠感といった全身症状もあり、全体的に診てほしい」という場合。あるいは、どの専門科に行けばよいか、全く見当がつかない場合は、かかりつけの「一般内科」を、最初の窓口とするのが、最も安心です。内科医が、総合的な視点から診察を行い、必要な検査を計画し、もし、より専門的な評価が必要だと判断すれば、責任を持って、適切な専門科へ、紹介してくれます。
大人のりんご病、何科を受診すればよいか