喉の痛みで医療機関を受診する際、最も専門的な診断と治療が期待できるのが「耳鼻咽喉科」です。耳鼻咽喉科は、その名の通り、耳・鼻・喉(咽頭・喉頭)の病気を専門とするエキスパートであり、喉の痛みの原因となる、様々な疾患に対して、深い知識と、豊富な診療経験を持っています。耳鼻咽喉科を受診する最大のメリットは、その「診察の精度」にあります。内科の診察では、主にペンライトと舌圧子(ヘラ)を使って、口の中から見える範囲(中咽頭)を観察しますが、耳鼻咽喉科医は、これに加えて、ヘッドライトを装着し、より明るく、広い視野のもとで、喉の隅々まで、詳細に観察します。さらに、必要であれば、「ファイバースコープ」という、先端に高性能カメラがついた、細くしなやかな管を、鼻から挿入し、内科の診察では、決して見ることのできない、鼻の奥(上咽頭)や、喉の最も深い部分、声帯のある喉頭までを、リアルタイムで、モニターに映し出して評価することが可能です。これにより、炎症の範囲や程度を、正確に把握できるだけでなく、ポリープや、稀ですが、喉頭がんなどの、重大な病気の見逃しを防ぐことにも繋がります。また、耳鼻咽喉科では、内服薬の処方に加えて、喉の炎症を直接抑えるための「専門的な処置」を受けられるという、大きな利点もあります。例えば、多くのクリニックに設置されている「ネブライザー」という吸入器を使い、抗炎症薬や抗生物質を含んだ、霧状の薬剤を、口や鼻から吸入します。これにより、薬剤が、痛みの強い患部に直接届き、腫れや痛みを、効果的に和らげることが期待できます。また、医師によっては、扁桃腺に付着した膿を、専用の器具で吸引除去したり、炎症を抑える薬剤を、直接塗布したりする処置を行ってくれることもあります。これらの処置は、内服薬だけでは得られない、即効性のある症状緩和に繋がります。喉の痛みが、特につらいと感じる場合は、喉のスペシャリストである、耳鼻咽喉科医の力を借りるのが、最も確実な選択と言えるでしょう。