足の血管の浮き上がりが気になり、血管外科を受診しようと考えたとき、「どんな検査をされるのだろう」「痛い検査はないだろうか」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、下肢静脈瘤の診断のために行われる検査は、体に負担のかかるものはほとんどなく、痛みも伴わないので心配は不要です。まず、診察室に入ると医師による「問診」から始まります。いつから症状に気づいたか、足のだるさや痛み、こむら返りといった自覚症状はあるか、ご家族に同じような症状の人はいるか、過去の妊娠・出産の経験、普段の仕事や生活習慣などについて詳しく質問されます。このとき、自分の症状を正確に伝えることが大切なので、事前に気になっていることをメモしておくと良いでしょう。次に、医師が直接足の状態を確認する「視診」と「触診」が行われます。立った状態で、血管がどの範囲に、どの程度浮き出ているのか、皮膚の色に変化はないか、腫れや硬さがないかなどを丁寧に観察します。そして、診断において最も重要となるのが「下肢静脈エコー検査(超音波検査)」です。これは、超音波を出すプローブという機械を足の皮膚に当て、血管の内部の状態をモニターに映し出す検査です。ベッドに横になったり、立った状態で、足の付け根から足首までの静脈を観察します。この検査によって、血管の太さや、血液の逆流を防ぐ弁が壊れていないか、血液がどの程度逆流しているのかをリアルタイムで、かつ正確に確認することができます。ゼリーを塗って機械を当てるだけなので、痛みや放射線被曝の心配も全くありません。検査時間は通常15分から30分程度です。これらの問診、視診、そしてエコー検査の結果を総合的に判断し、医師は下肢静脈瘤であるかどうか、またその重症度を診断し、患者さん一人ひとりに合った治療方針を決定します。
血管外科での検査は痛い?足の血管の診察の流れ