りんご病は、正式には「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」と呼ばれる、ウイルス性の感染症です。その名の通り、両頬が、まるでりんごのように真っ赤になる特徴的な症状から、この愛称で親しまれています。原因となるのは、「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスで、主に、咳やくしゃみなどに含まれるしぶきを吸い込む「飛沫感染」によって広がります。一般的に、りんご病は、4歳から10歳くらいの子どもたちによく見られる、比較的軽症な病気として知られています。しかし、免疫を持っていない大人が感染すると、子どもとは異なる、そして、しばしば、より重い症状に悩まされることがあるため、注意が必要です。大人がりんご病に感染した場合も、子どもと同様に、特徴的な「頬の赤い発疹」が現れることがあります。しかし、子どもほど典型的ではなく、赤みがそれほど強くなかったり、頬だけでなく、顔全体が腫れぼったくなったりすることもあります。そして、大人のりんご病で、最も特徴的で、かつ、つらい症状となるのが、発疹と共に出現する、激しい「関節痛」や「関節炎」です。手首や、手指の関節、膝、足首などが、朝、こわばって動かしにくくなったり、赤く腫れて、ズキズキと痛んだりします。この関節症状は、関節リウマチと見間違えられるほど、強いこともあり、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。また、発熱や、頭痛、筋肉痛、強い倦怠感といった、インフルエンザのような全身症状が、発疹に先立って現れることも、大人のりんご病の特徴です。りんご病が疑われる場合、受診すべき診療科は、症状に応じて異なります。発疹が主であれば「皮膚科」、関節痛が強ければ「リウマチ・膠原病内科」、あるいは、まずは全身を診てほしい場合は「一般内科」が、適切な相談窓口となります。
りんご病とは?大人の頬が赤くなる原因