更年期は、女性本人だけでなく、その家族、特にパートナーにとっても大きな影響を与えることがあります。これまで穏やかだった妻が、急に些細なことで怒り出したり、涙もろくなったりする。あるいは、いつも元気だったのに、ひどく疲れやすくなり、何事にもやる気を失っているように見える。こうした変化に戸惑い、どう接していいか分からずに悩んでいる男性も少なくありません。その不調の原因が、本人の性格が変わったのではなく、ホルモンバランスの急激な変化による「更年期」という体の自然な移行期にあることを理解することが、サポートの第一歩です。まず大切なのは、本人の話をじっくりと聞く姿勢です。女性自身も、自分の心と体の変化に戸惑い、不安を感じています。「気のせいだよ」「考えすぎだ」といった言葉で片付けず、「つらいんだね」「何か手伝おうか」と共感し、寄り添う気持ちを示すだけで、本人の孤独感は大きく和らぎます。具体的なサポートとしては、家事の分担を見直したり、ゆっくり休める時間を作ってあげたりすることが挙げられます。また、栄養バランスの取れた食事を一緒に考えたり、ウォーキングや軽い運動に誘ったりするのも良いでしょう。そして、もし本人が病院に行くことをためらっているようであれば、「一緒に病院を探してみようか」「付き添おうか」と声をかけてあげることも、大きな支えになります。何科に行けばいいか分からずに一人で悩んでいるケースも多いため、婦人科や内科などの選択肢を一緒に調べてみるのも有効です。更年期は決して終わりではなく、その後の人生をより健康に過ごすための大切な準備期間です。この時期を夫婦で協力して乗り越えることができれば、二人の絆はより一層深まるはずです。男性自身にも男性更年期(LOH症候群)があることを知り、お互いの体の変化を理解し、労わり合う関係を築くことが、これからの長い人生を共に歩む上で何よりも重要になります。