症状から考える、適切な診療科の選び方
体に不調を感じて病院へ行こうと思った時、多くの人が最初に直面するのが「一体、何科を受診すればいいのだろう?」という、 fundamental な問題です。大きな総合病院に行くと、受付の前には「内科」「外科」「整形外科」「皮膚科」など、数多くの診療科の看板が並んでおり、途方に暮れてしまうことも少なくありません。適切な診療科を選ぶことは、迅速で的確な診断と治療への、最も重要な第一歩です。間違った科を受診してしまうと、再度別の科で待ち直したり、いわゆる「科のたらい回し」に遭ってしまったりして、貴重な時間と労力を無駄にするだけでなく、診断が遅れる原因にもなりかねません。診療科を選ぶ際の、最も基本的な考え方は、「自分の最もつらい症状は何か」そして「その症状は、体のどの部分に現れているか」を、明確にすることです。例えば、咳や喉の痛み、発熱といった症状であれば、全身を診る「内科」が基本となります。膝や腰が痛む、あるいは怪我をした、というのであれば、骨や関節の専門家である「整形外科」が適しています。皮膚に発疹やかゆみがあれば「皮膚科」、目の異常であれば「眼科」、耳や鼻の症状であれば「耳鼻咽喉科」といったように、症状が現れている部位がはっきりしている場合は、比較的選びやすいでしょう。しかし、めまいや腹痛、頭痛のように、原因が複数の臓器にまたがる可能性がある症状の場合は、判断が難しくなります。この記事シリーズでは、そのような迷いやすい症状を取り上げ、それぞれの特徴から、どの診療科を受診するのが最も適切かを、分かりやすくガイドしていきます。