病気・治療法・薬の基礎知識を丁寧に解説

2025年12月
  • パートナーの不調は更年期かも?家族ができるサポート

    生活

    更年期は、女性本人だけでなく、その家族、特にパートナーにとっても大きな影響を与えることがあります。これまで穏やかだった妻が、急に些細なことで怒り出したり、涙もろくなったりする。あるいは、いつも元気だったのに、ひどく疲れやすくなり、何事にもやる気を失っているように見える。こうした変化に戸惑い、どう接していいか分からずに悩んでいる男性も少なくありません。その不調の原因が、本人の性格が変わったのではなく、ホルモンバランスの急激な変化による「更年期」という体の自然な移行期にあることを理解することが、サポートの第一歩です。まず大切なのは、本人の話をじっくりと聞く姿勢です。女性自身も、自分の心と体の変化に戸惑い、不安を感じています。「気のせいだよ」「考えすぎだ」といった言葉で片付けず、「つらいんだね」「何か手伝おうか」と共感し、寄り添う気持ちを示すだけで、本人の孤独感は大きく和らぎます。具体的なサポートとしては、家事の分担を見直したり、ゆっくり休める時間を作ってあげたりすることが挙げられます。また、栄養バランスの取れた食事を一緒に考えたり、ウォーキングや軽い運動に誘ったりするのも良いでしょう。そして、もし本人が病院に行くことをためらっているようであれば、「一緒に病院を探してみようか」「付き添おうか」と声をかけてあげることも、大きな支えになります。何科に行けばいいか分からずに一人で悩んでいるケースも多いため、婦人科や内科などの選択肢を一緒に調べてみるのも有効です。更年期は決して終わりではなく、その後の人生をより健康に過ごすための大切な準備期間です。この時期を夫婦で協力して乗り越えることができれば、二人の絆はより一層深まるはずです。男性自身にも男性更年期(LOH症候群)があることを知り、お互いの体の変化を理解し、労わり合う関係を築くことが、これからの長い人生を共に歩む上で何よりも重要になります。

  • 息を吸うと痛む胸は肋間神経痛?受診の目安

    医療

    「息を吸うと胸が痛い」という症状は、多くの人を不安にさせる代表的なものの一つです。深く息を吸い込んだ時、咳やくしゃみをした時、あるいは体をねじるような動作をした時に、胸や背中にピリッとした鋭い痛みが走る。これは、肋間神経痛で非常によく見られる特徴的な症状です。なぜなら、これらの動作は肋骨と肋骨の間にある肋間筋を動かし、その間を走っている肋間神経を刺激するからです。痛みが特定の動作に連動している場合、心臓の病気のように持続的に痛むものとは性質が異なり、肋間神経痛の可能性が高いと考えられます。しかし、「動作時だけ痛むから大丈夫」と安易に自己判断するのは早計です。この症状を、病院を受診すべきかどうかの目安として、どのように考えればよいのでしょうか。まず、痛みの強さが一つの判断基準になります。息を吸うのがためらわれるほど痛みが強い場合や、その痛みのせいで日常生活に支障が出ている場合は、我慢せずに受診すべきです。痛みをかばって浅い呼吸を続けていると、十分な換気ができずに他の不調を招くこともあります。次に、症状の持続期間です。数時間から一日程度で自然に痛みが消えることもありますが、二、三日以上たっても痛みが続く、あるいはだんだん痛みが強くなってくるような場合は、一度医師に相談した方がよいでしょう。特に注意が必要なのは、痛み以外の症状を伴う場合です。息を吸った時の痛みに加えて、息苦しさや呼吸困難感を伴う場合は、肺に穴が開く気胸や、胸に水がたまる胸膜炎などの可能性があります。また、発熱や体のだるさ、皮膚の発疹などを伴う場合も、単なる神経痛ではない可能性を考え、速やかに医療機関を受診してください。特定の動作で誘発される痛みは肋間神経痛を疑うきっかけになりますが、それを最終的な判断材料とせず、強さや期間、他の症状の有無を総合的に見て、不安があれば専門家の診断を仰ぐという姿勢が大切です。

  • ストレスが原因の胸の痛みでも病院へ行くべき理由

    医療

    仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなど、現代社会はストレスの原因に満ちています。過度なストレスは心だけでなく、体にも様々な不調を引き起こしますが、その一つに肋間神経痛があります。ストレスによって筋肉が過度に緊張し、肋骨の間を走る神経を圧迫・刺激することで、胸や背中に痛みが生じると考えられています。自分でもストレスが原因だと何となく分かっている場合、「病院へ行っても意味がない」「休めば治るだろう」と考えて、受診をためらってしまうかもしれません。しかし、たとえ原因がストレスだと思われても、一度は病院を受診しておくべきです。その理由は、まず第一に、本当にその痛みがストレスだけによるものなのかを、自己判断で確定することはできないからです。ストレスを感じている時期に、偶然、心臓や肺の病気を発症する可能性もゼロではありません。「ストレスのせいだ」と思い込んでいた痛みが、実は狭心症のサインだったということもあり得るのです。まずは医療機関で必要な検査を受け、心臓や肺、骨などに器質的な異常がないことを確認し、他の危険な病気の可能性を専門家によって否定してもらうことが、何よりも重要です。この「除外診断」というプロセスを経ることで、初めて「この痛みはストレスによるものの可能性が高い」と、安心して考えることができるようになります。そして、たとえストレスが原因の肋間神経痛であったとしても、病院は決して無力ではありません。痛みが強い場合には、症状を和らげるための薬を処方してもらえますし、痛みを緩和するためのストレッチや生活上のアドバイスをもらえることもあります。何より、医師に「心配な病気はありませんよ」と言ってもらうこと自体が、痛みの原因となっているストレスを軽減させ、大きな安心感につながります。つらい痛みを一人で抱え込まず、まずは専門家に相談し、体の状態を客観的に評価してもらうことが、回復への第一歩となるのです。

  • 婦人科だけじゃない!症状別で考える更年期の受診先

    医療

    更年期の不調といえば、まず婦人科を思い浮かべる方がほとんどでしょう。確かに、女性ホルモンの専門家である婦人科は第一選択肢です。しかし、更年期に現れる症状は非常に多岐にわたるため、つらい症状によっては他の診療科を受診することが有効な場合もあります。例えば、動悸や息切れ、胸の圧迫感が特に強い場合、まずは心臓や循環器系の病気がないかを確認するために「内科」や「循環器内科」を受診するのも一つの方法です。検査の結果、心臓に異常がなく、更年期による自律神経の乱れが原因だと判断されれば、そこから婦人科を紹介してもらうという流れもスムーズです。また、気分の落ち込みや不安感、不眠、意欲の低下といった精神的な症状が前面に出ている場合は、「心療内科」や「精神科」への相談が適していることもあります。これらの科では、専門的なカウンセリングや、症状に応じた抗うつ薬、抗不安薬などを処方してもらうことができ、心の負担を大きく軽減できる可能性があります。もちろん、これらの症状も婦人科で相談可能ですが、心のケアを専門とする医師のサポートが有効なケースも少なくありません。さらに、関節の痛みや肩こり、腰痛がひどい場合は「整形外科」が選択肢になります。エストロゲンの減少は骨や関節にも影響を与えるため、更年期に体のあちこちが痛む女性は多いのです。まずは整形外科で骨や関節に異常がないかを調べてもらうことで、安心して婦人科での治療に進めます。大切なのは、最もつらい症状は何かを自分自身で把握し、それに対応する専門科の助けを借りることです。そして、どの科を受診するにせよ、「更年期かもしれない」という可能性を医師に伝えることが、的確な診断への重要な鍵となります。

  • 私が更年期の相談で何科に行くか迷い続けたあの日々

    医療

    48歳になった頃から、私の体には明らかな変化が訪れました。それまで経験したことのないような滝のような汗、いわゆるホットフラッシュです。会議の最中に突然顔が真っ赤になり、一人だけ汗だくになっている自分に気づいてからは、人前に出るのが怖くなりました。夜は寝汗でパジャマがぐっしょり濡れてしまい、何度も着替えるために熟睡できず、日中の倦怠感はピークに達していました。インターネットで調べると、症状はまさしく「更年期障害」。しかし、知識としては分かっていても、いざ病院に行こうとすると足がすくんでしまいました。一番の悩みは「何科に行くべきか」です。婦人科が専門だとは書いてあるけれど、長らく婦人科検診も受けておらず、内診への抵抗感が強かったのです。それに、私の悩みは汗だけでなく、ひどい肩こりと気分の落ち込みもありました。整形外科に行くべきか、それとも心療内科なのか。考えれば考えるほど分からなくなり、結局数ヶ月間、市販のサプリメントでごまかしながら、つらい日々をやり過ごしていました。転機になったのは、同世代の友人との会話でした。私の悩みを打ち明けると、彼女は「私も同じだったよ。でも婦人科で漢方を処方してもらって、すごく楽になった」と明るく話してくれたのです。彼女が教えてくれたのは、最近では女性医師が運営する、相談しやすい雰囲気の婦人科クリニックも増えているということでした。その一言に背中を押され、私はついに近所の女性医師のクリニックを予約しました。診察室で恐る恐る症状を話すと、先生は「大変でしたね。それは典型的な更年きの症状ですよ。同じ悩みを持つ方はたくさんいます」と優しく頷いてくれました。結局、その日は内診はなく、血液検査と丁寧な問診だけで、私の体に合った漢方薬を処方してもらえました。あの時、一人で悩み続けずに友人に相談し、勇気を出して婦人科の扉を叩いて本当に良かったと、今、心から思っています。

  • 高齢者の熱中症と頻尿に隠された危険な落とし穴

    医療

    高齢者は、熱中症のリスクが特に高い層として知られています。その背景には、体温調節機能の低下や、喉の渇きを感じにくくなるといった加齢に伴う身体的な変化があります。しかし、それに加えて、高齢者特有の生活習慣や心理が、熱中症のリスクをさらに高めていることがあります。その一つが「トイレの回数」を気にするあまり、水分摂取を控えてしまうという問題です。多くの高齢者は、夜間にトイレのために何度も起きることを嫌がったり、外出先でトイレを探すのが大変だという理由から、意識的・無意識的に水分を摂る量を制限しがちです。この行動は、ただでさえ脱水に陥りやすい高齢者の体を、さらに危険な状態へと追い込んでしまいます。一方で、逆の現象も問題となることがあります。持病のために利尿薬などを服用している高齢者の場合、薬の作用でトイレの回数が増えることがあります。また、熱中症対策として水分を摂ろうと、塩分を含まないお茶などをたくさん飲んだ結果、水中毒の状態に陥り、頻尿になるケースも見られます。本人は水分を摂っているつもりでも、体は脱水状態という危険な状況です。高齢者の場合、熱中症の初期症状である倦怠感や軽い意識の混濁が、「年のせい」や「夏バテ」として見過ごされがちです。そこに頻尿という症状が加わると、本人も周囲もそれが熱中症のサインであるとはなかなか結びつけられません。家族や介護者が注意すべき点は、本人の「水分は足りている」という言葉を鵜呑みにしないことです。実際に何をどれくらい飲んでいるかを確認し、こまめな水分・塩分補給を促す必要があります。また、普段のトイレの回数と比べて、極端に減っていないか、あるいは不自然に増えていないかといった変化に気を配ることも重要です。高齢者の熱中症予防は、本人の感覚だけに頼るのではなく、周囲の客観的な視点とサポートがあってこそ、その効果を発揮するのです。

  • もう一人で悩まないで!更年期を乗り越える第一歩

    医療

    更年期という言葉には、どこかネガティブな響きや、できれば避けたいというイメージがつきまといます。しかし、これは全ての女性が経験する、体と心の自然な変化の過程であり、決して恥ずかしいことでも、特別なことでもありません。にもかかわらず、多くの女性がそのつらい症状を「年齢のせいだから仕方ない」「誰もが通る道だから我慢しなくては」と一人で抱え込み、誰にも相談できずに苦しんでいます。ホットフラッシュで仕事に集中できない、気分の落ち込みで家事が手につかない、夜眠れずに心身ともに疲れ果ててしまう。こうした症状は、あなたの気力や努力が足りないからではありません。あなたの体の中で起きている、ホルモンという強力な物質の急激な変化が原因なのです。そして、そのつらさは、適切な医療ケアを受けることで、大きく和らげることが可能です。この記事を読んで、もし少しでも自分の症状に思い当たる節があれば、どうか一人で我慢し続けないでください。最初の一歩は、とても勇気がいることかもしれません。何科に行けばいいのか、何を話せばいいのか、不安に思う気持ちも当然です。しかし、まずは一番身近なかかりつけ医でも、近所の婦人科でも構いません。扉を開けて「更年期かもしれないのですが」と相談することから、すべては始まります。専門家である医師は、あなたと同じような悩みを抱えた多くの女性たちの声を聞いてきました。きっとあなたのつらさを理解し、最適な解決策を一緒に探してくれるはずです。医療機関を受診することは、更年期という長いトンネルの出口を見つけるための、最も確実な地図を手に入れることに他なりません。我慢の先に明るい未来はありません。勇気を出して専門家の助けを借り、自分自身の体を大切に労ってあげること。それが、これからの人生をより健やかに、そしてあなたらしく輝いて生きていくための、何よりも大切な第一歩なのです。

  • 正しい水分補給が鍵熱中症とトイレの回数の関係

    医療

    夏の健康管理において、水分補給は最も重要なテーマの一つですが、その方法を間違えると、かえって熱中症のリスクを高めてしまうことがあります。「トイレの回数」は、その水分補給が正しく行われているかを知るための重要なバロメーターとなります。熱中症の典型的な症状は、大量の発汗による脱水で尿が濃くなり、回数が減ることです。これは体内の水分が危険なレベルまで減少しているサインであり、直ちに水分と塩分の補給が必要です。一方で、注意しなければならないのが、水分を摂っているにもかかわらず「トイレの回数が増え、尿の色が非常に薄い」という状態です。これは、体が必要な水分をうまく吸収・保持できていないサインかもしれません。特に、水やお茶といった塩分を含まない液体だけを大量に摂取している場合にこの現象は起こりやすくなります。汗からは水分だけでなく、ナトリウムなどの電解質(塩分)も失われます。その失われた塩分を補給せずに水だけを飲むと、体液の塩分濃度が薄まってしまいます。体はこれを正常な状態に戻そうとして、水分を尿として排出し、結果的に頻尿となるのです。これでは、いくら飲んでもザルで水をすくうようなもので、体は潤わず、脱水状態は改善されません。正しい水分補給の鍵は、「水分」と「塩分」をセットで摂ることにあります。最も効率的なのは、水分と電解質がバランス良く配合された経口補水液やスポーツドリンクを利用することです。また、日常生活の中では、麦茶を飲む際に塩昆布や梅干しを一緒に食べたり、食事で味噌汁やスープといった塩分を含む汁物を積極的に取り入れたりすることも有効です。トイレの回数が極端に少ないのはもちろん危険ですが、多すぎる場合もまた、水分補給の方法を見直すべきサインであると認識することが大切です。自分の体の変化に注意を払い、適切な水分と塩分の補給を心がけることが、厳しい夏を乗り切るための賢い選択と言えるでしょう。

  • 知っておきたい更年期の治療法!何科で何ができるのか

    医療

    更年期の不調で病院を受診すると、具体的にどのような治療が行われるのでしょうか。治療法についてあらかじめ知っておくことは、安心して医師に相談するための助けになります。受診する診療科によってもアプローチは異なりますが、ここでは主に婦人科で行われる代表的な治療法について解説します。更年期治療の柱となるのが「ホルモン補充療法(HRT)」です。これは、減少した女性ホルモン(エストロゲン)を飲み薬や貼り薬、塗り薬などで少量補充することで、ホルモンバランスの急激な変化を緩やかにし、ほてりやのぼせ、発汗といった症状を根本から改善する治療法です。骨密度の低下を防ぎ、骨粗しょう症を予防する効果や、肌の潤いを保つ効果も期待できます。ただし、乳がんや子宮体がん、血栓症などの既往歴がある場合は適用できないこともあるため、医師との十分な相談が必要です。次に、日本の更年期治療で広く用いられているのが「漢方薬」です。漢方医学では、心と体のバランスの乱れを整えることを目的としており、「気・血・水」の考え方に基づいて、個々の体質や症状に合わせた処方を行います。冷えや疲労感、イライラ、不眠など、ホルモン補充療法だけでは改善しきれない複雑な症状にも効果が期待できるのが特徴です。ホルモン補充療法に抵抗がある方や、体質的に合わない方にも良い選択肢となります。また、精神的な症状が強い場合には、「向精神薬」が用いられることもあります。気分の落ち込みがひどい場合には抗うつ薬、強い不安感や緊張には抗不安薬などが処方され、つらい心の症状を和らげる手助けとなります。これらの薬は心療内科や精神科が専門ですが、婦人科医が処方することもあります。これらの薬物療法のほか、医師によるカウンセリングや生活習慣の指導も重要な治療の一部です。どの治療法が最適かは人それぞれです。婦人科医とよく相談し、自分の体と心に合った方法を見つけていくことが大切です。