2025年11月
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足の血管治療の選択肢!手術から日帰り治療まで紹介
下肢静脈瘤と診断された場合、その治療法は病気の進行度や血管の状態、そして患者さん自身のライフスタイルに合わせて選択されます。かつては入院して行う手術が主流でしたが、現在では医療技術の進歩により、体への負担が少なく日帰りで受けられる治療が中心となっています。まず、症状が非常に軽い初期段階や、治療の補助として行われるのが「圧迫療法」です。これは、医療用の弾性ストッキングを着用することで、外から足を圧迫し、血液のうっ滞を軽減する方法です。症状の緩和や進行予防に効果がありますが、静脈瘤そのものを治す治療ではありません。次に、比較的細い静脈瘤に対して行われるのが「硬化療法」です。これは、静脈瘤に硬化剤という特殊な薬剤を注射し、血管を内側から固めて閉塞させ、最終的に体に吸収させる治療法です。外来で短時間で行える手軽な治療ですが、大きな静脈瘤には適用が難しい場合があります。現在の主流となっているのが、レーザーや高周波の熱で問題のある静脈を内側から焼き、塞いでしまう「血管内焼灼術」です。局所麻酔で行い、足の付け根などに細いカテーテルを挿入して治療します。傷跡がほとんど残らず、術後の痛みも少ないため、治療当日に歩いて帰宅でき、翌日から日常生活や仕事に復帰できることが多いのが最大のメリットです。そして、血管が大きく蛇行している場合や、血管内焼灼術が適さないケースでは、「ストリッピング手術」や「瘤切除術」といった外科的な手術が選択されることもあります。これらは弁が壊れた静脈を引き抜いたり、こぶそのものを切除したりする方法です。どの治療法が最適かは、専門医の診断によって決まります。まずは血管外科で正確な診断を受け、自分の状態に合った治療法について医師とよく相談することが大切です。